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■009:ルイのデンタルケア
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三週間ほど前のことです。
午後になってルイの口元がぬれているのに気づきました。
お水を飲んだばかりかしら、と思いました。
でもよく見ると唇にねっとりついています。よだれでした。
口の中に異常があるに違いないと口の中をみようとしました。
が、唇をギュッ閉めひらいてくれません。
少し様子をみることにしました。
時々ティシュで拭っていましたが、そのうち左の唇が下がって
よだれがひどくなっています。
夫と相談し、ドクターに連れて行くことにしました。
ところが、時計をみると5時過ぎです。
コドモたちの病院は週に二日,夜8時まで開いていますが、
あいにくその日は5時に閉まる日でした。
こちらでは4月から時間がサマータイムに変わり、
標準時間より一時間早く外が明るいので、
まだ早い時間だと思ったのです。
救急病院へ連れて行くほどの状態でもなさそうでした。
病院は朝8時に開きますから、
明朝連れて行こうということになりました。 |
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●かかりつけのペット病院近く
にある"Man of La Mancha"
(ドンキホーテ)像
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その夜、今日は疲れたと言って夫は早めに床につきました。
10時過ぎに私も休もうと、その前にルイの様子を見にいきました。
するとルイのベッドに血がついています。
びっくりしてよく見ると、よだれに血が混じっていました。
口のよだれを拭おうとする私の手をさけます。
そっと抱いて明かりの下で更によくみると、
左の唇がまえより下がり、両目からは涙が流れていました。
口の中の異常がひどくなっているのです。
これは朝まで待てない、救急病院へ連れて行かなければ・・・
私はクローゼットからキャリヤーを出し、
バスルームへ持って行きました。ルイはキャリヤーを見ると
「ドクターだ、怖いッ!」とお漏らしをします。
それでキャリヤーに入れるのはバスルームなのです。
物音に夫が目を覚ましました。
何事かと訊きましたので説明しますと、一緒にいくからと
大急ぎで支度をし、ルイの病歴ファイルを出して持ちました。
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●コドモたちを移動するのに使うキャリヤーです。
中に入れるときには上の蓋を開いて入れます。
外へ出してやる場合は前をあけます。
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去年確かめておいたペットの救急病院は、
家から高速で15分ほどのところです。
診察室では先ず助手の女性が体重と熱を量り、
ルイが救急病院へ連れて来られた理由を訊ね
カルテに書き入れます。
彼女が出て行き、直ぐにドクターがみえました。
助手の書いたものに目を通し、改めて私たちに質問します。
夫が持ってきたルイの病歴ファイルを参照しながら答えました。
ドクターはルイの心臓や肺に聴診器をあててから、
口を開けて見て「左の奥歯が欠け化膿してますね」と言い
「この歯は抜かなければいけないし、
他にも抜いたほうがいい歯があります。
かなり大変な手術ですから、
明日行きつけの病院で手術を受けてください。
今は抗生物質と痛み止めの注射をしておきましょう」と
言われました。明日の手術に便利だからと、
ついでに血液検査もしました。
ルイは高齢で腎臓機能が弱っているので、
完全な血液検査はその二週間前にしたばかりでしたが、
全身麻酔が必要な場合は
その時の体調把握が必要です。
家に帰ってきたのはもう12時近くです。
ドアを閉めたときに電話が鳴りました。
救急病院のドクターからでした。
血液検査の結果がよいので
ルイは充分手術に耐えられると思う、今夜の検査経過は全て
ルイの病院へファクスしておきました、とのことでした。
その夜ルイは、抗生物質と痛み止めの注射が効いて
良く眠りました。
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●ミンディは洗面台でのお昼ねが気に入っています。
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●ミンディがうちのコになって一年あまり。
お祝いを決めるのに時間が掛かりましたが、家具に
しました。
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翌朝病院へ電話すると「救急病院から昨夜の記録がファクスで
来ているから、直ぐ連れて来てください」。
救急病院からの記録を見ながらルイを診察したSドクターは
「歯のエナメル質が溶けて歯が割れたのです。
神経が出ているから痛かっただろうに」と言われました。
ルイはこれまで歯のクリーニングを3回していますが、
私達は健康管理の足りなさ後悔し、心の中でルイに謝りました。
去年の予定ではこの2月に歯のクリーニングをすることに
なっていましたが、腎臓の機能が弱っているので全身麻酔が
必要な歯のクリーニングを躊躇していたのです。
Sドクターは、「現在は麻酔のテクニックが進んでいるし」
と言ってから「ルイの腎臓に負担が掛からないように
先ず3時間ほど点滴をし、手術中も続け、その後も家に帰るまで
点滴をします」と言われました。
ルイの心臓と肺はとても丈夫だから
「腎臓を保護すれば大丈夫」と自信たっぷりです。しかし・・・
人間でも全身麻酔に危険はつきもの。
その日は何も手がつかず、病院からの電話を待ちました。 |
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●昼間は眠ってばかりです。
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午後4時過ぎです。
病院から「ルイの手術は成功でしたよ。歯は3本抜かなければ
なりませんでした。7時ごろ迎えに来て下さい。用心のため
それまで点滴を続けます」と電話がありました。
少し早めに迎えに行くと、助手さんがプラスティックに入った
小さな三本の歯を私に手渡し「今夜はルイの枕の下に75セント
置いてあげてね」と言いました。
この国では子供の乳歯が抜けると「夜中に歯の妖精がくる」
という言い伝えがあり、寝る前一本につきいくらかのコインを
枕の下へいれる習慣があります。
夫が自分の子供の頃は一本25セントでよかったけれど、
最近は値上がりしたのでは、と言いました。
点滴を受けた左前足の包帯が痛々しいルイでしたが、
うちへ帰ってくると何事もなかったように、
すっきりした顔つきでした。
ミンディはキャリヤーから出てきたルイに走り寄りました。
鼻を動かし「フーッ!フーッ!何処に行っていたのよッ。
変な匂いをつけてきて」と怒りながらついて歩きました。
五日間続けた抗生物質のおかげでしょうか、
ルイはすっかり元気を取り戻しています。
Don't forget to brush your kids (cats) teeth !
May. 22 / 2005
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●歯を抜いてから数日後。
あんなに苦しそうだったのが嘘のようです。
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