from Greenbrae / 012

012:ベビーシット
グリーンブレの郵便配達は一日に一回、お昼ごろです。
7月も末に近い金曜日に、郵便物を箱から取り出していると、外出から帰ってきたジュディスに出会いました。
彼女は、三月のコラムでご紹介したニーコとツキのママです。
同じ建物に住んでいても、顔を合わせる機会はあまりありません。そして、挨拶のあとで立ち話になりました。
ジュディスが、フロリダに住んでいるお母さんの見舞いに一週間行ってくる、と言うのです。
お節介かなと思いながら、私は「ニーコとツキはどうするのですか?」と訊いたところ、ジュディスの顔が曇り、
「シェルターに預ける予定なの。預けると帰ってきてから、ストレスが治るまで二週間かかるけど...。」と話します。
シェルターは立派なところで、ケージの中を自由に歩けるそうですが、慣れない環境に置かれた二人は下痢し、
それが治るのに二週間はかかるのだそうです。
そんな・・・かわいそう。私は「もし私たちを信用して下さるなら、うちで二人の世話をしますから。」と言いました。
ネコのいる人が家を長期間留守にする場合、
ペットシッターを雇うことも出来ます。
これを頼むと契約条件に従って日に1回、
または2回来て、猫の
面倒をみてくれます。
ジュディスはシェルターへ預ける方を選んだ
のですが、私は慣れないシェルターで怯えている
ニーコとツキを想像すると、
いても立ってもいられない気持ちでした。
そして、私の言葉に、ジュディスの顔が明るく
なりました。
「勿論信用しているけれど・・・」と言って
遠慮する彼女を、丁度顔を出した夫と
説き伏せました。
●ジュディスのテラスからの景色
 ジュディスがフロリダへ出発する前の日、
ニーコとツキの世話に必要な打ち合わせに行きました。
二人の好きな玩具、ブラッシ、それにもしもの時に備えて、
掛かりつけのドクターの名前もしっかり書き取りました。
そして、ジュディスのお宅では、クラシック・ミュージックのラジオは、
24時間つけておくのだそうです。
私が「二人とも抱っこが好きだったかしら?」と訊くと
「それが、二人とも嫌いなのよ。」と言われてがっかりです。
「テラスへは出てはいけないのでしょう?」と言うと
「それがねぇ。もう出つけてしまったから、出入りは自由にさせているの。」
と言うではありませんか。
テラスへ出るガラスの引き戸を少しだけ、何時も開けておくのだそうです。
「下へ落ちたらどうしよう!」
ギョッとした私と夫は、顔を見合わせました。
そんな私たちの心配をよそに、もう二人とも用心しているから大丈夫よ、
とジュディスは涼しい顔でした。
週が明けて「お蔭でコドモたちの心配をしないですむわ」と
ジュディスはフロリダへ発ちました。
●ママ何処へいったのだろう・・・とニーコ
 私たちの心配が始まりました。
朝ドアを開けた時二人揃っていればいいのですが、
一人の姿が見えないと「テラスの下へ落ちたのでは?」と探しまわります。
食事をしているか、お水は飲んでいるか、お通じは...、
などと確かめたあとはお遊びです。
夜を二人で寂しく過ごす埋め合わせに、夫と私は時間を見つけては
交代でニーコとツキと遊びました。
 うちのコドモたちはキャット・ニップの入いった袋が大好き、
これに頭を休めて眠ることもあります。
ニーコたちはどうかしら、と作ってみると大喜び。
いつもどちらかがキャット・ニップ袋を占領しています。
ミンディが大好きな紙ボールを作って床へ転がすと、
ツキが両前足で上手に転がし始めました。それを見たニーコも
お遊びに加わります。次の日には、二人とも私たちとすっかり
仲良しになりました。
ブラッシを持って近づいてもそのままで待っています。
短い間ですが、抱っこもできるようになりました。
●ママ何時帰るのかなぁ
●このキャット・ニップはアタシのよ
●このオモチャおもしろいなぁ
週の中ごろ、ジュディスから電話が入りました。
ブラッシも嫌がらないし、抱っこもさせてくれますよ、と言うと
「どんなマジックを使ったの?」と驚いています。
ツキは紙ボールが大好きなので、家中紙ボールだらけですけど
お帰りの前には片付けますから、と言うと
「いいえ、そのままにして置いてください。
是非遊ぶところを見たいから」との返事でした。
開け放ってある窓やスライディング・ドアを閉め、
ランプを点けると、ニーコとツキの一日の世話が終わりです。
ところが、ニーコは夕方になるとテラスの縁に登ります。
先ず端から端へ歩いてから、気に入った場所に座りこむのです。
初めてみたときは「落ちたらどうしよう!」と胸がどきどきしました。
ニーコたちの処は二階ですから、眺めは一階のうちより素晴らしく
「ニーコは夕方の景色がすきなのね。」と、
その後は話しかける余裕もできました。
●キャーッ・・・くすぐったい
●ちゃんとブラッシしてね
ニーコは夕方の景色がすき
ニーコのお気に入りの場所
 ジュディスが帰宅予定の3日前。
「帰るのが3日延びるけど、コドモたちを頼みます」と
連絡が入りました。
ペース・メーカーを入れたお母さんを
グリーンブレに連れ帰り、体力が回復するまで
看病するのだけど、ドクターのOKが取れないと言います。
勿論私たちは承諾しました。

そして、ジュディスが帰ってくる日。
朝二人の世話をしてドアを閉めた時、ふと寂しくなりました。
いつの間にか、二人の世話は、
すっかり私たちの生活の一部になっていましたから...。
ジュディスは「フロリダに行く前よりも、
二人とも毛の艶がよくなって
よく遊ぶようになった」と喜びました。

 ジュディスのお母さんは順調に体力を回復しておいでです。
9月にはフロリダへお帰りの予定で、
同行するジュディスが留守の間、
次回もうちでニーコをツキの世話をすることになっています。
...楽しみです。



Foster parenting is a lot of fun !


                    Aug. 28 / 2005
●↑眠ってばかりいたルイ
 が、やっと起きて食事を
 してきました
●ミンディのベッドにな
 ったり、遊び道具にな
 ったりのバスケット↓


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